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トラディショナルの美意識を現代に伝える「洋館」 ~「静寂」のなかに息づくアンティークの世界~

今回のレジデンスレポートは過去に弊社で住宅の建築をさせて頂いた施主様の住宅をご案内致します。

 

日本で生まれた洋館と西洋アンティークとの出会い

 

施主のY様の趣味は西洋アンティークや和の骨董で、陶芸にも造詣が深い方です。歴史が刻まれた古いものに愛着を感じるというY様は若い頃から「いつか洋館のような家に暮らしてみたい」という憧れをお持ちでした。

洋館は明治時代に入ってきた西洋文化のひとつとして、日本に広まった西洋建築です。欧米の建築様式をそのまま再現したのではなく、日本の伝統文化「和」と「洋」を融合させた日本独特の建築文化として今も残っています。ノスタルジックでどこか懐かしさを感じるのは、日本人の精神が息づいているからでしょうか。

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ジョージアン様式を取り入れたレンガ張りの外観。伝統的な張り出し窓のある外壁部分は、アクセントとしてはちみつ石呼ばれるキャストストーンを採用しています。「くり型」という様式を駆使したバルコニーの手すりのフォルム、コラムなどの装飾など、ディテールにこだわったデザインが施されています。

 

 

Y様は祖父母様から受け継いだ住まいを洋館に建て替え、長い年月かけて収集してきたアンティークの家具やシャンデリアでしつらえました。さらに以前の住まいで使っていたステンドグラスも再利用して「家族の思い出」も建物に蘇らせています。「書斎のステンドグラスは祖父母の時代のもので、ガラス越しに庭に咲く四季折々の花を眺めて楽しんでいました」。Y様邸には自然とともに暮らす伝統的な日本の美意識も静かに息づいています。

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書斎の窓には以前の住まいで使用していたステンドグラスを再利用しています。広い庭園に面したこの部屋は日当たりが良くステンドグラスからやわらかい光が室内に広がり、幻想的な空間になっています。直接、庭を見るのではなく、ステンドグラスを障子に見立てて、ガラス越しに四季の気配を感じる和の心があります。

 

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ダイニングテーブルはジャコビアン様式のテーブルや椅子、アンティークのカップボードが置かれています。テーブルの脚に施された彫刻には圧倒されます。こうした重厚なアンティーク家具の格式に合わせた空間づくりとウィンドトリートメントの装飾がされています。

 

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イギリスのアンティークガラスをはめ込んだドアを開けると暖炉のあるリビングが広がります。

 

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床材は19mmのオーク材で古い家で使っていた寄せ木細工をアクセントに使用。幾何学模様を描いた床の表情がとても豊かで、深みが増している。折り上げ天井に輝くシャンデリアも50年前のもので、クリスタルを磨いて再利用しています。また、床の間で使用していたオニキスを暖炉回りの装飾として再生しています。

 

 

時代背景・美意識が凝縮されたアンティークの芸術

 

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Y様邸にはいたるところ古き良きものが再生利用されています。ステンドグラスをはじめ、寄せ木細工のフローリング、建具、欄間、洋館で使われていた和風シャンデリア、イギリスのアンティークガラス・・・・・。

アンティークの魅力はその時代の職人の技術力や美意識が凝縮されているだけでなく、時代背景が物語として込められていることだとか。それは歴史様式を取り入れた建築にも共通すること。西洋と日本の伝統に込められた美学を理解した弊社との出会いによって、Y様が愛するアンティークの価値観に調和した新しい時代の洋館が生まれました。

 

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陶芸家のご主人様の作品が並ぶ和室。天井の和風シャンデリアは川端康成の旧居にも同じデザインのものが使われていたという逸話があるそうです。和と洋の融合というY様邸を象徴している空間です。

 

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広々とした玄関ホール。躍動的に曲線を描く階段のアイアンに合わせて、玄関の床も曲線のデザインにしています。和室へと続く右手の建具にもイギリスのアンティークガラスが採用されています。

 

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赤をテーマカラーにコーディネートされたオリエンタルな雰囲気の寝室。サークルトップの3連窓は張り出し窓で、多角的に光を取り入れているので室内は明るいです。

 

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玄関脇の壁面にも古いステンドグラスを採用。足元のフローリングには寄せ木細工が「家族の思い出」として新しい家に受け継がれています。

 

 

以上で今回のレジデンスレポートを終わりとさせて頂きます。

これからも過去に弊社で建築頂いたお客様の住宅のレポートをしてまいります。お楽しみに。