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豊かな暮らし方を教えてくれる邸宅

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プレシオではこれまで数々のセンス溢れる邸宅をご紹介してきた。どれも施主の思いとライフスタイルを見事に反映した建築士渾身の秀作ばかりだが、なかでも大きな反響を呼んだのは5月号の「ドクターズ・レジデンス」だった。その邸宅を手掛けたインターナショナルホームは、ヨーロッパ諸国に脈々と受け継がれている正統な洋館建築の様式を貫き、常に品格のある邸宅づくりを目指すこの道30年以上の経験を持つエキスパート・ビルダーである。特にプレステージの高い人々から多くの支持を得ている。

今回改めて取材したのは、インターナショナルホームが手掛けたある有名企業の社長が施主となった邸宅だ。
約200坪の敷地に建つこの邸宅は、知識層に好まれるイタリアン様式のオーソドックスなスタイルをコンセプトに、フィレンツェの郊外に見られる豪邸をイメージしたという。

外壁色も地中海風土ならではのベージュに白のアクセント。軒下のデンティルモールディングやギリシャ式コラムがより格式の高さを主張する。実に良い雰囲気だ。成功者ならではの研ぎ澄まされた感性が見事に表現された外観デザインといえるだろう。様々な木々が植えられた広大な庭園は四季折々に美しく表情を変える。それを愛でるために設えられたテラスはきっと施主の特等席に違いない。

玄関ドアを開けると明るい吹き抜けのホールが迎えてくれる(写真:左上)。贅を尽くしたシャンデリア、優雅なサーキュラー階段もさることながら、大きな窓から見えるシンボルツリー、床の大理石に映える空と木々までもがインテリアの一部となって場を彩る。

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 そして、施主が最も居心地の良い空間と絶賛するのが、採光にこだわりぬいたティールーム(写真:左下)。その天井高は3.6メートル。東・西・南の3方向に大きな窓が配され、季節、時間ごとに趣の違う陽光を感じることができるよう工夫が凝らしてある。すべての窓からは庭園の木々も見渡せ、部屋に居ながらにして自然の風景を楽しめる。家族の誰もが「このティールームは何時間居ても飽きない」と話すのも頷ける。

経営者には、毎日のように押し寄せるプレッシャーと闘いながら的確な判断を下すことが求められる。常に緊張を強いられるという点では読者諸氏と同じであろう。だからこそ、心身を解きほぐし落ち着ける場所は不可欠である。充実した職場と、癒しのある邸宅。両方を手にしたとすれば、それはその人の人生が豊かであることの証にほかならない。

ところで、優しい陽射しと自然に包まれたこの邸宅。けっして森の中に建っているのではない。都心部の一等地に佇んでいるのだ。本当の豊かさを知る施主の理想をかたちに出来る建築士の成せる技であろう。

室内もイタリアンテイストを踏襲する。シャンデリアをはじめとする照明器具、家具、階段や窓の素材などインテリアを構成するほとんどのものはイタリアからの取り寄せ。窓に映る木々、季節や時間によって変化する光と影までが計算されて、寛ぐための空間がつくりだされている。都心部に建つ邸宅なのだが、木々の葉が身を寄せ合う音や鳥たちの声を聞きながら優しい陽光を浴びているとまるで森のなかの別荘に居るような錯覚に陥る。