フレンチ・ジョージアン様式をよりソフトモダンにした邸宅

 東京都練馬区 S邸 (2013年4月完成)

 都会的、かつ癒しの空間を追求していくと、フレンチ・ジョージアン様式は、過度な装飾を削ぎ落としたフレンチ・リュクスとでも呼ぶべき洗練された邸宅としてデザインされる。
 ここにハイファッションの領域に到達した、瀟洒でソフトモダンのデザインによる自慢の邸宅が完成いたしましたのでご覧ください。

フレンチ・ジョージアン様式*クリックするとダイアグラムで説明が見られます。

東京都練馬区 S様邸 フォトアルバム

 

ライフスタイルから考える住まいのコンセプト

 高度な知識、精緻な技術を要求されるお医者様には、どれだけの癒し空間があっても満たしきれないものがあるかもしれません。
 ところが、このS様は音楽を演奏するという、さらなるハイスタンダードなライフスタイルをお持ちです。そこで、住まいのコンセプトは、「ソフィスティケイトされた、音楽を奏でる癒しのライフスタイル空間」とさせていただきました。
 奥さまはディレクター、そして後ろに控える知的なプロデューサーがご主人という名コンビによって、邸宅づくりのプランニングはスムーズに進行しました。

間取りの考え方と住み心地のポイント

 間取りとしては、フロアー別に公私を分けられる計画にいたしました。1階にお客様にもお聞かせできるリビング&ミュージック・ルームをレイアウト。そして、ゲスト・ダイニングも設けて、ゲストをお招きする優雅で贅沢な間取りにしてあります。お客様が気兼ねなく寛げるよう気配りした、仕切りのない広々とした空間を設計しました。
 2階は、ファミリー空間として、ご夫婦のプライベートを大切にすることのできるマスター・ベッドルームや、お子様たちとの和みのファミリー・リビングを設計しています。
 癒しのライフスタイル空間をコンセプトとしていますので、住み心地についての大切なポイントを検討し、「解放感」を重視しました。1階、2階ともに天井高を通常よりも高くしており、そして仕切りの少ない1フロアータイプの1階にしています。広々とした室内でリラックスしていただけると確信しています。

ホール

立地特性を活かしたスケール感のあるデザイン構造

 S様が購入された土地のサイズや形状に合わせて、最もスケール感の出せるデザインをと検討いたしました。
 そこで、フレンチ・シャトーを母屋に構成し、見上げるような堂々とした外観をだせるよう、フレンチ・ジョージアン様式を基盤としたデザインをご提案いたしました。
 そうすることで、堂々とした外観のみならず、広々としたとても居心地の良い室内空間を実現することができたのです。

S様邸外観

エクステリア

 装飾性を抑え、見上げるようなハーフタワーが、洗練された知的センスを表現する

 寄棟屋根にアティック(屋根裏部屋)のドーマー窓をあしらい、12角形のフレンチ・シャトーをイメージさせる象徴的なハーフタワーをジョイントさせた、二つとないオリジナリティーあふれるデザインです。
 また、ファサードのステップを数段高くすることによって、邸宅の品格を表現し、見上げるようなより堂々たる洋館を強調しています。
 ジョージアン様式を基盤として、1階と2階の間のフロアーベルト、タワー腰部の安定感のある石調壁を設えて、洋館ならではの様式美を踏襲しています。
 窓のシンプル化したオーナメントや、ファサードの大げさすぎないギリシャ風コラム、キーストーンをあしらった玄関ドアのデコレーションなど、いかにもフランスの洗練された富裕層が好むパリ郊外の別荘のようです。
 外壁は、光と風、緑に映えるエクリュ色(淡褐色、淡い鳶色)で、ホワイトの窓枠デコレーションが引き立つ、都会人のスマートさをソフトに表現したカラーリングで仕上げてみました。

 

ウィンドウ・オーナメント

 様式美は壊さず、しかしアーバニティに(都会的な洗練さ)
カップ ハーフタワー2階の窓はラウンドトップ(半円形)で、その周りにシンプル形状にデザイン化した都会的なオーナメントを施しています。様式美を壊すことなく、21世紀型フレンチ・ジョージアンの望まれるデザインといえます。


エントランス・ホール

 おもてなしのゲスト・エントランス、この上ないお客様への気配り
 フロント・ドアを開けると、ピアノやハープの置いてあるミュージック・ルームの景色に圧倒される玄関ホール。床は大理石調で高級感を演出し、オフホワイトの壁とベージュの床で洗練さを感じさせています。
 何とそこで気が付くのは、この玄関ホールは、ゲスト・エントランスであり、その奥にファミリー・エントランスがあるという贅沢さとゲストへの気配り。おもてなしの心とはこういうものかと思い知らされるシーンです。

ミュージック・ルームとエントランス・ホール

 吹き抜けの2階から流れでるような美しいサーキュラー階段
 しかも、ゲスト・エントランスから視線を左に向けると、美しいヘアーライン(髪が流れるような)のサーキュラー(らせん状の)階段が出迎えてくれるのです。
 アールヌーボー(19世紀末)調の美しく流れるようなラインの手すりとそれを支えるスピンドルも共に、アイアンワークによって装飾性を出し、黒色にもかかわらず重厚すぎず、住む人の軽やかなステップでの優しいお出迎えを彷彿とさせてくれます。

サーキュラー階段

ミュージック・ルーム

 まるで教会で演奏しているような・・・2×4工法ならではの高気密さゆえ
 室内に設えてある2本のコラムの向こう側に、スタインウェイのピアノ、ハープ、その横にはヴァイオリンが置いてあります。何と豪華なミュージック・ルームでしょうか。ご主人様は医師会のオーケストラに所属されているという本格派。
 もちろん、音響は、高気密の2×4工法ならではの効果で、窓にはペアガラスを採用し、特に防音処置をしなくても音が外にもれることはほとんどありません。
 まるで教会で演奏しているような音の響きがあると、お褒めいただきました。

ミュージック・ルーム

グレイト・ルーム(ゲスト・リビングルーム)

 寛ぎのグレイト・ルームは、柔らかい光の演出によるコンサート会場にも
 ゲストをお呼びしてご自宅でのパーティー。プチ・コンサートなどを聞きながらゆっくりと談笑できるゲストのためのリビングルームです。グレイト・ルームとは、暖炉のある部屋のこと。そこには豪華な大理石のマントルピースを設え、壁面の淡いベージュ色と一体化させてモダンなオーナメントとなっています。

グレイト・ルーム

 高さのある折り上げ天井の間接照明や、オーナメントをあしらった豪華なシャンデリアによって、ゲストへの寛ぎを誘う優しさが醸し出しだされています。
 ウィンドウ・トリートメント(窓まわりのカーテン装飾類)のデザインは、カーテンの上部を装飾する箱型のペルメット(上飾り)を取り付け、高級感のある縁飾りのフリンジをあしらいました。豪華さの中に、壁との同系色による主張しすぎない品位を漂わせています。

ゲスト・リビングルーム

ゲスト・ダイニング・ルーム

 円形折り上げ天井が和みを演出。お客様をお迎えするダイニング
 ホールのサーキュラー階段を挟むようにして、ミュージック・ルームの反対側にゲストのためのダイニング・ルームがあります。公私を分ける欧米型のライフスタイルです。
 陽光を十分に取り入れるハーフタワーの窓は4か所。ウィンドウ・トリートメントを床まで設えた贅沢さです。
 円形のお洒落な折り上げ天井は空間の広がりを感じさせ、ルーム間の仕切りをなくして解放感に満ちた居心地の良さは、お客様が帰りたがらないそうです。デザイナー冥利に尽きるお言葉です。

ダイニング・ルーム

DEN(書斎)

 リラクゼーションは防音仕様で、まさに「隠れ家」
 DENとは、「隠れ家」を語源とした書斎のことです。ご主人様は、情熱を傾けて止まないクラシックの名盤を、室外の音に邪魔されることなく聞き入る。この癒しの空間はしっかりとした防音仕様を施したリラクゼーション・ルームの極みです。

キッチン&ブレックファスト・ルーム

 多忙な朝、アメリカナイズされたイートイン・キッチンが元気を後押し
 ゲスト・ダイニング・ルームの奥に、1階で唯一のアーチ型ドアがあります。美しい金のステンドグラス細工を施した引き込み式の3面ドアです。その奥は、基調色のオフホワイトにブラウンをアクセント・カラーで配色した、使い勝手抜群のイートイン・キッチン。

キッチン&ブレックファスト・ルーム

 すべてオフホワイトの棚にブラウンの大理石の天板で、日本仕様よりも数センチ高くできているシステムキッチンは、洋館ならではの使い心地です。
 キッチンの中央に存在感を放つアイランド・テーブル。これがご自慢のブレックファスト・テーブルなのです。長さ270cmもあるスケールの大きなテーブルで、1列に5客の椅子が並べられます。朝食には合理的なこのテーブルが使用されます。
ブレックファスト・テーブル もちろん、その下は広い収納になっており、そこにも気配りのデコレーションがなされています。天板を支えるコーナー・ブラケット(棚を支える装飾的な腕木)とハーフ・コラム。こういうところに本当のセンスが窺われるわけです。


2Fファミリー・リビング・ルーム

 バーカウンターも設えて、親子水入らずのおしゃべり部屋
 ハーフタワーの2階は、プライベートを大切にするファミリー・リビングとして寛いでいただけます。夜は、ご主人様は奥さまとともにのんびりとバーカウンターでドリンク・タイム。お子様たちの日々の出来事を聞きながら親子水入らずのひと時を過ごしていただけます。
 さらに床にも寛ぎの配慮をしました。通常のフローリングではなく、温もり感のあるヘリンボーン(杉綾状)の木組みに、白のオイルステイン拭き取り仕上げで木目をいかしています。

マスター・ベッドルーム&ウォークイン・クローゼット

 デコラティブなインテリアは、マスター・スウィートならでは
 ご夫婦の使われる主寝室。お子様たちとも別の本当のプライベート・スペースです。都会的な大胆さが窺われる、パープル基調のデコラティブなインテリアに仕上がっています。豪華なキャノピー(天蓋)をあしらったフレンチ・リュクス(デラックス)のベッド、クラシカルな柄の壁紙、光沢感のあるパープルのウィンドウ・トリートメントなど、海外の豪華ホテルを多々利用しないと浮かばないアイデアです。
 また、広いウォークイン・クローゼットに一味加えて、ブランド物などの高級品を収納するショーケースを、ベッドルームから眺められるように工夫してみました。

マスター・ベッドルーム

バスルーム

 欧米化したライフスタイル仕様の合理的バスルーム
 多くの日本人の邸宅は、日本的バスルームとの折衷型が多いのですが、こちらでは、欧米型の使い方をされます。というのは、身体を洗うシャワールームとゆっくり寛ぐジャクージー・バスを分けています。

東京都練馬区 S様邸 フォトアルバム